大学での数学

day 140

高校から大学に入ると何が変わるのか。ある人は言いました。
「生物は化学になり、化学は物理になり、物理は数学になり、そして数学は哲学になる」

高校生の頃に聞いた言葉ですが大学生になってみて「たしかになあ」と実感します。

特に多くの大学生がつまづくのが大学の数学。高校までには数学が好きだった学生も、大学の数学があまりに抽象的なためにイヤになってしまうこともあるようです。

今回は、大学生として数学を学ぶための第一歩として、高校までの数学と大学の数学とは何が違うのか、大学で数学を学ぶ上での注意点などを紹介します。

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記号や言葉の定義から始まる

大学の数学でまず面食らうのが、いろいろな言葉の定義から授業が始まることだと思います。何せ「実数」の定義から授業が始まるのですから。。。
しかも、その定義というものもデデキントの切断やらなんやら、よく分からない概念が出てきて「も~、こんなややこしいこと言わなくても、実数は実数でいいじゃん!」と言いたくなってしまうこと必至。では、なぜ大学の数学はこんなにも細かくてややこしいのでしょうか。それは

  • 高校までの数学は、数学を「どう使うか」という「使い方」に焦点が当たっていたのに対し
  • 大学の数学は、数学という「学問」の探求に焦点が当たっていることによります。

実際問題として、実数の定義なんてものは、数学者になろうと考えている人以外にはどうでもいいものです。けれども本当に学問として、数学というものを極めようと思えば、そういう厳密性が要求されます。

現実世界で実験を行うことができる物理や化学、生物などとは異なり、数学というのは頭の中だけで理論が進む学問です(もちろん最近はコンピュータを駆使したりもしますが、あくまで補助にすぎません)実験して試すことができない以上、論理の漏れや抜けがないように、厳密性を非常に重視するのが数学なのです。

そのため実数といういわば「当たり前」に使っているものの定義からはじめたり、無限という概念を扱うためのイプシロン-デルタ論法が出てきたりするのです。

証明がメインで、計算があまりない

大学の数学は、
言葉の定義→定理の証明→定理の証明→定理の証明→・・・
という感じで授業が進みます。

つまり「計算問題」がないのです。

これも先ほど述べたのと同じ理由で、数学という学問をやっているわけなので、一般的な定理を示すことに力点が置かれるのです。

・・・それでいてテストには計算問題が出たりすることもあります(^^;)これはその定理をきちんと理解しているかどうかを見られるわけです。

概念が抽象的

大学の数学は、とにかくいろいろな概念が抽象的です。
ただ一見すると抽象的な概念も、具体的なイメージがわけば理解がグッと進むことがあります。たとえば、

  • 線形代数学は、行列とベクトルの学問ですし
  • 群は、関数(写像)
  • 環は、整数全体の集合や、多項式の集合とみなせます。
  • 体としては、有理数全体や実数全体がその代表です。

数学を学ぶときには、具体的にイメージのわくものに置き換えて考えてみると、より理解しやすくなる場合もあるでしょう。


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